病院で見かける老夫婦

 週に何度か消毒の為に病院へ行く。

まだ消毒に通わなあかんのかー。長いなーと言いつつ通う。看護師さんが優しいから面倒くさいだけで嫌ではない。

感染性粉瘤を切ってきた

そこで見かける老夫婦がいる。腕を組んで歩いてくる。病院内の長椅子にたどり着くと、奥さんの方は椅子に座った後、鞄と帽子は左手に、着ていたコートを畳んで右に首に巻いているマフラーを外して畳んでそれも右に、一通り終わると髪を撫でつけて呼ばれるのを待っている。旦那さんの方は、妻が椅子に座ったのを見届けると、受付を済ませ自分のリュックサックを奥さんの近くの椅子において、必要なものを出している。

帰る時は、奥さんの手を握り立つのを助け、旦那さんが右奥さんが左になるように並ぶと、腕を組み帰っていく。これが毎回のルーテインだったりする。

この2人は、ずっとこうやって生きてきたんだなと思える。決して口数が多いわけではないけど、いつものことのように必要な時に手を出し、必要なものが鞄から出てくる感じ。言葉などいらない、その行動があまりに自然で素敵だなと思う。

先日、診察が終わって椅子に座っていた奥さんがふっと立ち上がった。旦那さんに手を貸して貰わなくても立てるんだ!ってびっくりした。旦那さんはいたって普通。立てる事を旦那さんも知ってるのか。それもびっくり。

その日も腕を組んで帰っていった。その後ろ姿を見ていて、自分の数年後を思った。私とジジは同じように腕を組んで歩けるだろうか。歩きの遅い私をジジは待ってくれるだろうか。私が足手まといにならないように動けるだろうか。あんな風に腕を組んで穏やかに歩いて行ける夫婦になれたらいいな。