否定しなかった人
祖母は楽器、母は洋楽も邦楽も聴く人で、そういう環境にいたせいか、小学校の高学年あたりからラジオを聞き始め、私も洋楽も邦楽も聴くようになった。
ただ、母は洋楽はバラードのみで私がロックとか聴いてると柄の悪い音楽で品がないと笑われたりした。あれこれ言われるのが嫌なので、その頃からイヤフォンは必須になった。
邦楽も聴くので同級生と音楽の話が出来たし淋しいという感じはなかったけど、パンクはだめだ、メタルはだめだ、ブラックはだめだと言われると、ジャンルそのものよりだめだと言われることがなんとなく嫌だった。珍しく同じ洋楽バンドが好きな人に出会っても、邦楽好きはセンスが悪いとか言われるとがっかりした。日本人なら日本語の曲を聴けと言った人もいた。
音楽の話が出来たのはジジと親友の1人だけだった。彼らは好みじゃない音楽は興味ない、惹かれないとは言うけど、だめとは言わない。まして私に聴くなとは言わなかった。
お肉が嫌いな事もそうだった。お肉が嫌いで食べられないので、会社の付き合いとかでどうしても外食せざるを得ない時は、会費は全額払うけど(食べられないのは私の都合なので)無理して食べない。
そのうち肉嫌いはそのうちばれるけど、誰だって苦手なものがあるよねと言う人、お肉食べられないなんて、育ちが悪いのねという人がいた。ジジはやったー、食費が浮くぞと言って笑わせてくれた。親友は嫌いなら食べなきゃいいんじゃない?と、私が何を食べてようが気にしない人だった。
私が人には言いたくないなと思っている弱点を(たくさんある)、気づいているのにスルーしてくれた人達は私を大事にしてくれた。ジジが夫じゃなくても親友が友達じゃなくても尊敬してる。相手の弱点を見つけて何も言わずスルーしてくれる。タイミングもあるよねと見守ってくれる。
弱点があったからこそ、優しい人を見分けられたんだったりして。