憧れた日本海
子供の頃、日本海or北の海に憧れた。
私が生まれた島は南国で、よく言われる「青い空、青い海」で白い砂浜にハイビスカスの赤や黄色、植物の緑と色鮮やかだった。
ただ梅雨の時期は毎日雨が降った。毎日々雨が降る。外は雨の音しかせず、窓を開けると雨がスコールのようで白い世界になった。それが好きだった。人も色も静かにある感じが好きだった。それが日本海や北の海のイメージに繋がったのかも。
ジジにそれを話したら、行ってみるかという事になって蟹を食べに行ったことがある。私は何よりも日本海を楽しみにしていた。
ところが初めて見た日本海は怖かった。海の色が濃い色で底が見えない。浅いはずなのに見えない。それが怖かった。近くにいた人は慣れているのか、なんともないように散歩しているのに、恥ずかしい事に私は内心動揺した。こんなはずじゃ。
蟹は美味しかった。とても静かで落ち着いた時間を過ごせた。ただ、あれ以来日本海に行きたいとは言わなくなった。たった1回だけの日本海。それでも強烈な1回だった。
ジジが仕事を引退したら、もう1度ぐらい行ってみようかと思っていたのだけど、今は旅行そのものに興味がなくなってしまった。